ニューマチックケーソン工法
ニューマチックケーソン工法とは
ニューマチックケーソン工法(Pneumatic caisson method)のpneumaticは「空気の」「圧搾空気を利用した」、caissonは「函(はこ)」を意味します。日本では「潜函」工法とも呼ばれています。
ニューマチックケーソン工法は、あらかじめ地上で下部に作業室を設けた鉄筋コンクリート製の函(ケーソン)を築造するとともに、作業室に地下水圧に見合う圧縮空気を送り込むことにより地下水を排除し、常にドライな環境で掘削・沈下を行って所定の位置に構築物を設置する工法です。
ニューマチックケーソン工法の原理
水の入っていないコップを逆さまにして平らに水中に押し込むと、空気の圧力により水の侵入を防ぐことができるという原理を応用したものです。
ケーソン下部に気密作業室を設け、そこに圧縮空気を送り込んで地下水の浸入を防ぎ、ドライな状態で掘削できるようになっています。
コップの中がケーソン作業室、コップの先端がケーソンの刃先にあたります。
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水の入っていないコップを逆さにして水の中に入れると、コップ内に水が入って内部の空気圧と水圧が等しくなる。
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コップ内に空気を送り込むと、内部の空気圧が上昇して水が排出される。
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同じ原理!
「Pw=Pa」ならば作業内に水は浸入しない。
Pw・・・ ケーソン底面位置の水圧
Pa・・・ 作業室内の空気圧
ニューマチックケーソン工法の施工手順
施工手順は、構築、掘削、沈下作業をロット毎に繰り返し行い、地耐力試験により地盤支持力を確認後、作業室内に中埋めコンクリートをドライな環境下で充填します。
STEP01
据付地盤整地
STEP02
土砂セントル・刃口据付
※土砂セントル:1ロット目のコンクリートを支える盛土
※刃口:ケーソン先端部での鋭角な金物
STEP03
1R 構築
※1R(1ロット):積み上げる構造物の単位
STEP04
2R 構築・艤装
※スケータークレーン:資材や土砂を吊り上げるクレーン
※マンロック:作業室への人の出入り口
※マテリアルロック:作業室から土砂の引き上げ口
※土砂ホッパ:土砂をダンプトラックに積み込む設備
STEP05
1R 掘削・沈下
※天井走行式ショベル:作業室の天井に据えられた掘削機
STEP06
掘削・沈下・構築
※3R以降も構築・掘削(遠隔操作)・沈下を繰り返します。
STEP07
沈下完了・地耐力試験
※地耐力試験:ケーソンが沈下しない堅固な地盤であることを確認する試験
STEP08
中埋めコンクリート
※中埋めコンクリート:作業室の中をコンクリートで充填
STEP09
艤装撤去
※艤装:掘削・構築設備
STEP10